アニドリル

アニメを中心に映像作品全般の感想・雑記

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河童のクゥと夏休み

河童のいる日常

先週土曜から公開が開始された「河童のクゥと夏休み」
まだ公開が始まったばかりなので、
なるべく具体的なネタバレはなるべく避けるようにします。
(といいつつたぶんいくらかはネタバレになるでしょう・・・。)

この映画は「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」などの
劇場版クレヨンしんちゃんシリーズを手掛けた原恵一監督による作品。
今回はオリジナル作品かと思っていたら同名の児童書が原作だった。



クゥと言えば、幼い頃見た、遠い海から来たCOOを思い出すけど、
こちらのクゥには核実験の陰謀も、海兵隊も出てきません。(当たり前)

ただひたすら、主人公やその家族、友達、そしてそれらを取り巻く社会の
日常を淡々と描いた作品。ただ、そこに唯一河童という空想の生き物が介入してくる。

子供向け作品と思いきや 案外そうでもなかったりする。
もちろん単純に河童のクゥが可愛いので、子供が見ても楽しめると思うものの、
冒頭から結構ショッキングなシーンがあったりして、ちょっと驚かされた。
さらに いじめ問題や、マスコミ・大衆の横暴、環境問題なども絡んでくるので
大人が見てもかなり考えさせられるものがある。若干詰め込みすぎな感も否めないが。
2時間18分という上映時間もやや長めと言えるが、それを感じさせない魅力は十分にあった。

それを可能にしたのはまず、クゥを非常にユーモラスに、かつリアルに描いたこと。
少しネタバレになるが、例えばよく耳にする河童はみんな相撲好きという伝承、
例に漏れずクゥも相撲好きで、あの小さな体でなんと主人公の少年を投げ飛ばすのだが
それがただの力技ではなく、格闘技の理にかなっていたりすることや、
カタツムリの殻にクチバシをあててチュルッと吸い出し、生のまま食べてしまったことなど、
もし河童が実在したらこうだろう、という事柄がひとつひとつ丁寧に描いてあった。
そういうファンタジーでありながら地に足の付いたリアルな表現を積み重ねることで
河童のいる日常というものを自然に、ありありと描いていた。
そこに惹き付けられたように思う。

そしてもうひとつは、主人公・康一の 少年の成長物語
最初は自分勝手で、クラスのいじめられっ子の少女(実は密かに好きだった)
を同級生と一緒になってからかったりしていたのだが、クゥと一緒に生活することで
まず学校生活に大きな変化が訪れる。そこから精神的な親離れを果たし、
クゥの境遇に同情して他人を思いやる心を持つようになり、
次第にそれを態度で示せるようになっていった。具体的な記述は避けるが、
その成長の様子がこれまた細かい丁寧な描写で生き生きと伝わってきた。

また、康一にこれと言った特徴がなく、類型的な少年として描かれていたことで
自分の少年時代と照らし合わせて感情移入しやすかった、というのも
この物語にすんなり引き込まれた一因かと思える。

そして個人的に一番惹かれたのが、(これは上記の成長物語にも含まれるが)
人間の暗い部分 を避けずにむしろ積極的に描こうとしたこと。
それも大げさにではなく努めて淡々とリアルに。

物語後半でクゥの存在が明るみになりマスコミが押し寄せるようになるのだが、
河童という特異な存在に好奇心で群がる人間達の身勝手さ、いやらしさが
これでもかと描かれていた。

その様子はどうしても 多摩川のタマちゃん に群がる人々の
ニュース映像思い起こさせずにはおかなかった。

河童という非日常的な存在の視点を通して日常を見つめ直すと、
日常に起こっていることの異常さがここまでクッキリと浮き彫りになってしまうのかと
目から鱗が落ちる思いだった。

それに関係することだが、序盤に康一がクゥをリュックサックに入れて
自転車で町を走るシーンでは、町の風景が数分にわたって描かれ
クゥの目に映るその風景は、クゥの知っていたものと全く違ってしまっていることが
容易に想像できるようになっている。クゥの心情は直接語られることはないが、
それを想像するだけでなんだか自然に涙が溢れてしまっていた。

この映画は 感動できるか? と言われればもちろんイエス。
それも、さあここで泣け、感動しろというようなあからさまに押しつけがましい物ではなく、
ジワジワと心に浸み、気づくと自然に涙がこみ上げているという感じ。
映画を見て感動したいという人は是非一度見てみるべきだと思う。

大人から子供まで、自身を持って 万人に勧められる映画


余談だがこの映画、カットされた30分の未公開シーンがあるとのこと。
原恵一監督は20年間映画化を切望し続けたというし、
映画の2時間枠にとうてい収まりきらない並々ならぬ想いがあったようだ。
DVDは是非その未公開シーンをつけた完全版を期待したい。

映画化が実現するまでに時間がかかったことでひとつ残念なことがあった。
原作者の木暮正夫氏が今年の一月に、
映画の完成を見ずに亡くなられたということらしい。
ご冥福をお祈りいたします。

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  1. 2007/07/31(火) 01:32:50|
  2. 映画
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0

騎士道ここにあり

ロック・ユー ロック・ユー
ヒース・レジャー、ルーファス・シーウェル 他 (2007/04/18)
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陰謀のセオリーや暗殺者の脚本を手掛けた、ブライアン・ヘルゲランド監督の
ロック・ユー 原題はA KNIGHT'S TALE ある騎士の物語。そのまんまです。

『運命を変える』

平民出身の主人公ウィリアムは子供の頃夢見た騎士への道を実現すべく
主の死を契機に身分を偽り、騎士として馬上槍試合に出場することを決意。
武術の腕を磨き、仲間と力を合わせて成り上がっていく。
トーナメントで勝ち進む傍ら、高貴な女性に騎士としての献身を捧げ愛を勝ち取り
やがては強力で狡猾なライバルをも打ち負かし、名実ともに騎士として大成する。
まさに「友情・努力・勝利」を地でいくサクセスストーリー。

物語の幕が上がって早々、Queenの名曲「We Will Rock You」に合わせて盛り上がる
騎士トーナメント会場のお祭り騒ぎは、この映画に小難しい時代考証や理屈などは
一切不要なのだと言うことを教えてくれる。
素直に見て、感じて、楽しめる、今じゃ珍しい王道一直線の映画。

そして登場人物が素晴らしい。
特筆すべきは歴史上の人物でもあるジェフリー・チョーサーの役回り。
なにせ初登場時いきなり素っ裸で歩いていたのだから。その言い訳も滑稽で笑いを誘う。
主人公達に助けられた舌の根も乾かぬうちに、賭場で負けて身ぐるみ剥がされ
またもや素っ裸になっていた時には思わず吹き出した。

そんな彼の、事実を大いに脚色した熱のこもった演説はこの作品の大きな魅力のひとつ。
ラスト近くで主人公の偽名、ウルリック・フォン・リキテンシュタインではなく
ウィリアムという本当の名を高らかと讃えるシーンには身震いさせられた。

ちなみに主人公の名前の元になった人物は13世紀に実在した
ウルリッヒ・フォン・リヒテンシュタイン卿。
ヴィーナスの騎士と呼ばれた彼は貴婦人への献身において数々の
ユニークなエピソードを残している。この映画で騎士に興味をもったなら
馬上槍試合や騎士の歴史について調べてみるのも一興かもしれない。




テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

  1. 2007/07/27(金) 20:09:10|
  2. 映画
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anidrill

Author:anidrill
映像学科卒
アニメ、映画、漫画大好き

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